この2つは、そもそも役割が違う道具です。だから「どっちが得か」を1つの金額で決めつけるのは危険。判断は、あなたにとって次のどちらが重いかで決まります。
学資保険は、決まった額を積み立てると満期に決まった額が受け取れる商品。増える割合を示すのが「返戻率=受取総額 ÷ 払込総額」です。返戻率100%未満なら元本割れ、100%超なら払込より多く戻る、という単純な指標です。
つみたてNISA(新NISA)は、投資信託などを非課税で積み立てる制度。利益に約20%かかる税金がかからないぶん、増やす期待値は高くなりやすい一方、値動きで元本割れするリスクがあります。
返戻率は商品と加入条件で変わります。近年は低金利で返戻率が下がり、特約を付けると100%を下回る(元本割れする)ケースも出ていました。ただし2024〜2025年の金利上昇を受け、主要各社で返戻率が改善したプランも出ています(出典1・2)。
ここで見落としがちなのが、返戻率には「親に万一があったら以後の払込が免除され、それでも満期金は満額受け取れる」保障のコストが含まれる点です。この保障を重視するなら、返戻率は「おまけ」と割り切る考え方もあります(出典1)。
将来リターンは誰にも断定できません。そこでAI検証室は「もし年◯%で増えたら」という感度分析で幅を示します。以下は毎月2万円を15年積み立てた場合の、あくまで機械的な計算例です。
| 前提リターン(年) | 元本(15年) | 試算の到達額(概算・機械計算) |
|---|---|---|
| 0%(増えない) | 360万円 | 約360万円 |
| 年3%で推移した場合 | 360万円 | 約453万円 |
| 年5%で推移した場合 | 360万円 | 約534万円 |
| 下落局面に当たった場合 | 360万円 | 360万円を下回ることもある |
| あなたの条件 | 勝者 | 理由 |
|---|---|---|
| 親の万一で「払込免除」の保障が欲しい | 学資保険 | 契約者に万一があると以後の払込が免除され、満期金は受け取れる保障が本体(出典1) |
| 値動きは絶対に避けたい・確実性が最優先 | 学資保険 | 満期の受取額が契約時に決まる(ただし途中解約は元本割れに注意) |
| 期待リターンを重視し、値動きは許容できる | NISA | 非課税で増やす期待値が高くなりやすい(+親の保障は掛け捨てで別途) |
| 教育以外にも使うかも・流動性が欲しい | NISA | いつでも引き出せる。学資保険は途中解約で元本割れしやすい |
| 使う時期がまだ先(10年以上ある) | NISA | 運用期間が長いほど元本割れの確率は下がる傾向(出典3・4) |
| 使う時期が数年後に迫っている | 学資保険 | 短期は値動きリスクが相対的に大きい。確実性が効く |
| 自分で積立を続ける自信がない | 引き分け | 保険は強制力◎ / NISAは自動積立設定で近づけられる |
正直な注意点:「NISAの方が増えそうだから全部NISA」は早計です。学資保険が持つ払込免除という保障は、投資では代替できません。逆に「安心だから全部学資保険」も、増やす力と流動性を捨てています。NISAで増やしつつ、親の万一は掛け捨ての死亡保障(別記事)で別に確保する――この組み合わせが有力な第3の解になります。ここを飛ばして「どっちか一方が正解」と煽るのはこの検証室のやり方ではありません。