年末調整は、会社が把握している範囲の控除(社会保険料・生命保険料・扶養など)を精算する仕組みです。会社が知らない控除は、そこには入りません。医療費、ワンストップを出し忘れたふるさと納税、住宅ローン控除の初年度などは、あなた自身が確定申告で申告しないと反映されません。
判断はシンプルです。次の1式で考えます。
ポイントは、還付は自動では戻ってこないということ。「該当していること」と「実際に還付されること」は別で、あいだに申告という行為が必要です。ここを埋めないと、権利があっても1円も戻りません。
これは「全員が対象」ではありません。1つでも当てはまるかを確認するための採点表です。あくまで代表例で、適用条件・上限は制度ごとに細かく決まっているため、最終判断は公式でご確認ください。
| 該当する人 | 何が戻る/効く | 注意 |
|---|---|---|
| 年間の医療費が10万円超(または所得の5%超) | 医療費控除 | 生計を同じくする家族分を合算可。領収書等の保管が必要 |
| ふるさと納税でワンストップ特例を出し忘れた/寄付先が6自治体を超えた | 寄附金控除 | ワンストップ未提出・6自治体超は確定申告が必要になる |
| 住宅ローンを組んだ初年度(マイホーム購入・入居) | 住宅ローン控除(初年度) | 初年度は確定申告が必須。2年目以降は年末調整で可能 |
| 副業・雑所得などが20万円超 | 申告が必要(義務) | これは還付ではなく申告義務。逆に赤字なら損益通算で戻ることも |
| 年の途中で退職し、年末調整を受けていない | 納めすぎた源泉税の還付 | 再就職先で年末調整されなかった場合、自分で申告 |
| 災害・盗難・横領で資産に損害を受けた | 雑損控除 | 対象・計算方法が細かい。関連の証明書類が必要 |
| 職務に必要な支出が一定額を超えた会社員 | 特定支出控除 | 会社の証明が必要など要件が厳しい。該当は限定的 |
| 国・自治体・認定NPO等へ寄付した(ふるさと納税以外) | 寄附金控除 | 対象団体・証明書の要件あり |
| iDeCo等の掛金を年末調整で出し忘れた | 小規模企業共済等掛金控除 | 年末調整で漏れても確定申告で反映できる |
正直な注意点:この表は「該当の入口」を示すもので、金額が戻るかどうかは所得や他の控除との兼ね合いで決まります。「とにかく申告すれば得」ではありません。逆に副業20万円超などは申告しないと義務違反になる側の話で、還付とは別物です。ここを混同して煽るのは、この検証室のやり方ではありません。
「去年の医療費、出し忘れた」――もう遅い、と思う必要はありません。還付を受けるための申告(還付申告)は、その年の翌年1月1日から5年間できます。年末調整で完結する人が、あとから医療費控除などのために提出するのがこれにあたります。
逆に、納める税金がある人(副業所得が多いなど)は、期限内申告が原則で扱いが異なります。「戻る側」と「納める側」で期限も手続きも変わる点は要注意です。まずは自分がどちら側かを、下のチェックリストで棚卸ししてください。