AI判定
返済に余裕があり、金利が上がっても払える/繰上返済で残高を減らせる人 → 変動で低金利メリットを取る。
返済に余裕がなく、上昇で家計が崩れる/将来の返済額を今すぐ確定させたい人 → 固定で安心を買う。
金利は変動しうるので、どちらも「上がった場合」を試算してから決めるのが前提です。
そもそも変動金利は「誰が・何で」決まる?
ここを外すと判断を誤ります。変動金利は各銀行の「短期プライムレート(短プラ)」に連動します。短プラは形式上は銀行が決めますが、実際は日銀の政策金利にほぼ連動して動きます。つまり「銀行が決める」ようでいて、大元は日銀の金融政策。加えて各行は新規客向けの優遇幅(割引)でも競争するため、“表面金利”と“実際の適用金利”は別物です。
そして重要なのは、これは「もし上がったら」の仮の話ではなく、すでに上昇局面に入っているという事実です。日銀は2024年にマイナス金利を解除して以降に利上げを進め、短プラは2024年から段階的に上がり2026年2月に約2.125%、政策金利も2026年に1.0%程度まで到達しました。「変動=ずっと低いまま」という前提は、もう成り立っていません。
⚠ 「供給過多・飽和した不動産市場を背景に、変動金利が“爆上げ”する」という強気の見方もあります。傾聴に値しますが、主流の見通し(大手行・日銀の説明)は0.25%刻みの段階的な利上げで、短期間の急騰は“考えにくい”とされています。要するに「爆上げ」も「低位安定」も、どちらも断定できない相場観です。だからMioはどちらにも賭けず、金利予想はしません。代わりに次章のように「上がった場合」を数字で試算し、自分の家計が耐えられるかで選びます。変動が上がっても払える設計になっているか——これが本質です。
数字で見る差(2026年9月時点・目安)
| 項目 | 変動金利 | 固定金利 |
| 金利の目安 | 年1.2〜1.3%前後(適用金利。銀行・条件で差) | フラット35で約3.46%、10年固定(メガ)約3.84% |
| 金利差(変動-固定) | およそ1.5〜2%超。フラット35と変動の差は約2.2%と過去最大水準 |
| 返済額の安定性 | 上昇すると増えうる(後述の5年・125%ルールあり) | 完済まで一定(返済額が確定する安心) |
| 今の低さ | 当初の金利は固定より明確に低い | 当初から高め。その水準で固定される |
| 向いている人 | 上昇に耐えられる/残高を早く減らせる家計 | 上昇に弱い/収支を固定したい家計 |
※金利は各時点の公開情報にもとづく目安です。適用金利は銀行・審査・優遇条件で変わり、この先どう動くかは誰にも断定できません(私も予想しません)。
“金利差はいくらの利息差か”を計算する
変動と固定の差は、ざっくり「金利差 × 借入残高 ≒ その年の利息差の目安」で見えます。仮に金利差を1.5%、残高3,000万円とすると――
1.5% × 3,000万円 = 年 約45万円(残高に対する概算。実際は元金が減るほど利息も減るので、これは初期の“上限イメージ”。返済方式・残高で変わる)
つまり当初は、変動のほうが年40万円規模で利息が軽い年もあり得ます。これが「変動が得」と言われる正体です。ただし――ここが重要ですが、変動は将来この差が縮む/逆転する可能性があります。金利が1%上がると同じ残高で利息負担はこう動きます。
1% 上昇 × 3,000万円 = 年 約30万円の利息増(概算)。上がるかどうか・いつ・何%かは断定できない。だから“上がった場合”を必ず試算しておく
正直に言うと、変動の低金利メリットは「上がらなければ得、上がれば縮む」という条件つきです。だから判断軸は金利の高低そのものより、「上がったとき自分の家計が耐えられるか」になります。
変動が上がったときの“クッション”と落とし穴
多くの変動ローンには「5年ルール」(金利が変わっても毎月の返済額は原則5年据え置き)と「125%ルール」(見直し後も返済額は前回の1.25倍まで)というクッションがあります。急に返済額が跳ね上がるのは防げます。
⚠ ただし落とし穴:これは“返済額”を抑えるだけで、利息そのものが消えるわけではありません。据え置き中に利息が膨らむと、元金の減りが遅れ、最悪は利息が返済額を上回る「未払利息」が生じ、総返済額が増えることがあります。ルールの有無・内容は銀行で異なります。「上がっても大丈夫」ではなく「上がった分は後で払う」仕組みだと理解を。
条件別の採点
| あなたの状況 | 採点 | 理由 |
| 返済に余裕があり、上昇しても払える | 変動が有力 | 当初の低金利メリットを取りやすい |
| 繰上返済で早く残高を減らせる | 変動が有力 | 残高が小さいほど上昇の影響も小さい |
| 収支がギリギリ/上昇で家計が崩れる | 固定が有力 | 返済額が動かない安心を買う価値が高い |
| 教育費など将来の支出を確定させたい | 固定が有力 | 返済額を固定でき、計画が立てやすい |
| 借入額が小さい/返済期間が短い | 変動寄り(影響が小さい) | 上昇しても総額への効きが限定的 |
| 迷って決められない | 両方を試算して比較 | 「+1%」「+2%」で総返済額を出すと差が見える |
正直な注意
- 変動は将来上がりうる。今の低さは保証ではなく、上昇時は返済額や総額が増える可能性があります。
- 固定は当初の金利が高い。安心の対価として、上がらなかった場合は割高になり得ます。
- 2択で終わりではありません。繰上返済(残高を減らす)や借換(条件を組み直す)で後から軌道修正できます。諸費用がかかるので損得は要試算。
- 私は特定の銀行・商品をおすすめしません。また金利がどうなるかの断定的な予想もしません。金利は変動しうる前提で、複数シナリオを試算して選ぶのが安全です。
- 適用金利・ルール・優遇は銀行と審査で変わります。最終判断の前に各金融機関の公式条件と、必要に応じて専門家への相談を。
▶ 変動 vs 固定を、自分の借入額でシミュレーションする/借換も含めて比較相談する
まとめ
- 2026年は変動と固定の金利差が約1.5〜2%超と大きい。だから当初は変動が低金利で有利。
- ただし変動の得は「上がらなければ」の条件つき。判断軸は金利上昇に耐えられるか。
- 余裕があり残高を早く減らせる人は変動、収支を固定したい人は固定。
- 5年・125%ルールは返済額を抑えるだけで利息は消えない(未払利息に注意)。
- 繰上返済・借換という逃げ道もある。金利は変動しうる前提で複数シナリオを試算して決める。
出典
・2026年9月の住宅ローン金利動向(変動 地銀1.23%/メガ1.25%/ネット1.29%、フラット35 約3.46%=集計開始以降の最高水準、フラット35と変動の差 約2.23%):マイナビニュース「【9月の住宅ローン金利ランキング】」/モゲチェック「住宅ローン金利2026年9月の最新動向」/ダイヤモンド不動産研究所
・変動と全期間固定の金利差の目安(約1.5%前後)・金利タイプの選び方:足利銀行「2026年|住宅ローン金利は変動と固定どちらがよい?」/SUUMO「金利上昇傾向の2026年、住宅ローンの借り換えは変動か、固定か?」
・5年ルール・125%ルール・未払利息の仕組み:三菱UFJ銀行 よくあるご質問/SBI新生銀行「変動金利の5年ルールと125%ルールとは?」/モゲチェック「5年ルール・125%ルールとは?」
・住宅ローン減税(控除)の制度概要(公的一次情報):
国土交通省「住宅ローン減税」/
国税庁 タックスアンサー No.1211-1(住宅ローン控除)
※金利・金利差は各時点の公開情報にもとづく参考値です。適用金利は銀行・審査・優遇条件で変わり、将来の金利は変動しうるため断定できません。本記事は特定商品の推奨や金利予想を目的とせず、最新・正確な条件は各金融機関の公式情報でご確認ください。