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株の配当金、総合課税 vs 申告分離 vs 申告不要
結局どれで申告すると得?

📈 特定口座(源泉あり)で上場株の配当をもらっている個人投資家へ
⏱ 30秒でわかる結論
  • 上場株の配当は源泉20.315%で完結できる(=申告不要)。でも人によっては申告した方が税金が戻る
  • 分かれ目は課税所得695万円。ここ以下なら総合課税+配当控除で所得税が有利になりやすい。695万超は申告不要/申告分離が無難。
  • ただし総合課税は合計所得が増える=国保料・扶養・住民税非課税判定に波及する罠。得しても別の負担が増える人がいる。
感情ゼロのAIが、印象ではなくルールと税率で採点します。先に結論 ―― 配当は「どの箱で申告するか」で税率が変わる数少ない所得。課税所得ゾーンごとに最適解が入れ替わります。しかも総合課税は税金以外の副作用があるので、単純な税率比較では足りません。

課税所得ゾーン別・有利な課税方式マップ

※「課税所得」=各種控除を引いた後の課税総所得金額。給与だけの人は年収ではなくこの金額で判定。所得税の話が中心で、住民税は原則いつも申告分離(住民税5%)が有利な点に注意(後述)。

課税所得ゾーン
総合課税
申告分離
申告不要
〜195万円低所得・年金のみ等
◎ 最有利実質5%〜還付
△ 15%固定損しやすい
△ 源泉のまま取り戻せる分を放置
195万〜330万所得税10%帯
◎ 有利10%−10%=実質0%
△ 15%固定
△ 15.315%相当
330万〜695万所得税20%帯
○ やや有利20%−10%=10%
△ 15%
△ 15.315%
695万〜900万所得税23%帯
△ ほぼ拮抗23%−10%=13%
○ 分離が無難
○ 手間ゼロ
900万〜1800万所得税33%帯
✕ 不利33%−10%=23%
◎ 15%固定で得
◎ 20.315%で完結
1800万超所得税40〜45%帯
✕ 大幅不利控除後も高税率
◎ 15%固定
◎ 完結が楽
◎ 最有利 ○ 有利/無難 △ 拮抗・条件次第 ✕ 不利

数値は所得税(配当控除10%)だけを見た概算。住民税・国保・扶養への波及は下の「落とし穴」で必ず確認してください。断定ではなく傾向です。

AI判定(条件別)
課税所得695万円以下で国保・扶養に影響がない人 → 総合課税で配当控除を取りに行く
課税所得900万円超/手間を掛けたくない人 → 申告不要(そのまま)or 申告分離
国保加入・扶養に入っている人 → 税だけで判断しない(総合は保険料・扶養外れの罠)。
総合課税の“所得税だけ”の得(課税所得330万以下)大きい
総合課税の得(課税所得900万超)マイナス
申告不要の手間ゼロ
総合課税の“副作用リスク”(国保・扶養)人により大
※上場株・特定口座(源泉あり)・大口株主でない前提。非上場株や大口株主は別ルール(総合課税など)で本記事の対象外です。

3つの箱の違い(ここがAI検証室の“計算”)

上場株の配当は、受け取った時点で20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収されます。ここから先、あなたは3つの箱のどれかを選べます。

税率(上場株の配当)配当控除特徴
申告不要源泉20.315%で完結使えない何もしなくてよい。合計所得に加算されない=国保・扶養に響かない
申告分離課税20.315%(所得税15.315+住民税5)使えない株の譲渡損と損益通算できるのが最大の利点
総合課税給与等と合算し累進(5〜45%)+住民税10%所得税10%・住民税2.8%低〜中所得なら配当控除で有利。ただし合計所得が増える

ポイントは、申告不要と申告分離は税率が固定(20.315%)なのに対し、総合課税だけは自分の所得の高さで税率が変わること。だから「所得が低い人ほど総合課税が得、高い人ほど損」という逆転が起きます。

配当控除で総合課税の税率はこう下がる

総合課税を選ぶと、税額計算のあとで配当控除が引けます。国内株の配当なら、課税総所得金額1,000万円以下の部分で所得税10%・住民税2.8%(1,000万円を超える部分は所得税5%・住民税1.4%に半減)です(国税庁 No.1250)。つまり実効税率=「所得税の累進税率 − 10%」で概算できます。

総合課税の実効税率(所得税分)≒ あなたの所得税率 − 配当控除10%例:課税所得300万円 → 税率10% − 10% = 実質0%(源泉された所得税15.315%が申告で戻る方向)
課税所得所得税率−配当控除総合の実効(所得税)分離(所得税15.315%)と比較
〜195万5%−10%実質0%以下総合が大幅有利
195万〜330万10%−10%0%総合が有利
330万〜695万20%−10%10%総合が有利
695万〜900万23%−10%13%ほぼ拮抗(僅差で総合寄り)
900万〜1800万33%−10%23%分離が有利
1800万超40〜45%−10%30%超分離が明確に有利

所得税だけを見れば、境目は課税所得695万円あたり。ここ以下なら総合課税+配当控除の勝ち、900万を超えると総合は明確に負けます。695万〜900万はほぼ引き分けなので、後述の副作用で決めるのが安全です。

落とし穴①:住民税は「申告分離5%」が原則有利

ここが一番の罠。総合課税の住民税は税率10%で、配当控除は2.8%しか引けません(実効7.2%)。一方、申告分離・申告不要の住民税は5%固定。つまり住民税だけで見ると、ほぼ全所得層で申告分離(5%)の方が安い(7.2% > 5%)。

住民税:総合10% − 配当控除2.8% = 実効7.2% vs 申告分離5%住民税は原則いつも申告分離が有利。差は配当額×約2.2%

かつては「所得税は総合課税、住民税は申告不要」という異なる課税方式の選択で両取りできましたが、令和6年度(2024年)分の住民税から、所得税と住民税で異なる課税方式を選ぶことはできなくなりました。所得税で総合課税を選ぶと、住民税も総合課税で連動します。だから「所得税で得しても住民税で少し取り返される」前提で、合算の損得を見る必要があります。

※住民税率10%・配当割5%・配当控除2.8%は標準。自治体により細部が異なる場合があります。異なる課税方式の選択廃止は総務省の改正によるもの。

落とし穴②:総合課税は「合計所得」を押し上げて波及する

申告不要なら配当は合計所得に入りません。ところが総合課税(や申告分離)で申告すると、配当が合計所得金額に加算されます。これが以下に連鎖します。

特に国保加入者・扶養に入っている人・住民税非課税ライン付近の人は、「所得税の還付額」より「保険料増・控除喪失」の方が大きくなりがち。税率だけで総合課税に飛びつかないのがAI判定の結論です。会社員(健保・被扶養でない)は国保の影響がないので、この罠は比較的軽い。

落とし穴③:申告分離の“本当の使いどころ”は損益通算

「税率が固定なら申告分離は申告不要と同じでは?」と思いがちですが、申告分離を選ぶ最大の理由は株の譲渡損(売却損)と配当を相殺できること。その年に株で損を出した人・繰越損失がある人は、申告分離で配当と通算すると源泉された税が戻ることがあります。損がないなら、わざわざ申告分離にする実益は薄く、申告不要のままで十分です。

▶ そもそも「特定口座(源泉あり)」で持っていますか?
課税方式を自由に選べる前提は「特定口座 源泉あり」。一般口座や源泉なしだと申告の扱いが変わります。まずは口座区分の確認から。

条件別の採点:あなたはどれ?

あなたの状況選ぶべき理由
課税所得330万円以下・会社員(健保)・扶養に入れていない総合課税配当控除で所得税が実質0〜数%。国保・扶養の罠が効かない層
課税所得330万〜695万・会社員総合課税所得税実効10%で分離15%より有利。住民税増を差し引いても概ね勝ち
課税所得695万〜900万拮抗(要試算)ほぼ引き分け。手間を避けるなら申告不要、微差を取るなら総合
課税所得900万円超・高所得申告不要/申告分離総合は実効23%以上で不利。20.315%で完結が正解
国保加入(自営業・年金・退職者)原則 申告不要税が戻っても保険料増で逆ザヤになりやすい。要シミュレーション
扶養に入っている(配偶者・学生)原則 申告不要申告で合計所得が増え扶養控除が消えるリスク
その年に株の売却損がある申告分離譲渡損と損益通算して源泉税を取り戻せる
とにかく手間を掛けたくない申告不要源泉20.315%で完結。合計所得にも響かない

正直な注意点:「必ず総合課税が得」という断定はできません。得か損かは課税所得の額国保・扶養の有無の掛け算で決まります。会社員・中低所得・扶養に入っていない ―― この3つが揃えば総合課税が有力、というのがルール上の傾向です。境界付近や国保加入者は、実際の還付額と保険料増を必ず両方試算してください。

採点でハマる落とし穴(まとめ)

まとめ

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出典
国税庁 No.1250 配当所得があるとき(配当控除)(配当控除:課税総所得金額1,000万円以下は所得税10%、1,000万円超の部分は5%)
国税庁 No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)(総合課税・申告分離課税・申告不要制度の3択/上場株式等の配当は源泉15.315%+地方税5%=20.315%)
国税庁 No.2260 所得税の税率(課税所得ごとの累進税率5〜45%)
東京都主税局 都民税配当割・株式等譲渡所得割(住民税の配当割5%・申告方式の取扱い)
総務省 上場株式の配当等への課税方式の選択(資料)(住民税の配当控除2.8%/異なる課税方式の選択に関する制度)
※税制は改正されます。配当控除率・税率・住民税の取扱い・異なる課税方式の選択の可否・国保/扶養への影響は各時点の公式情報にもとづく参考です。特定口座(源泉あり)・上場株・少数株主を前提とした一般的解説であり、個別の税額・保険料への影響は必ず国税庁・総務省・お住まいの自治体・税務署・税理士でご確認ください。最終判断はご自身で。
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